Metaが今回示したのは、1つの最強モデルではなく、性能と価格の異なる階段を自社で両面(クローズドとオープンウェイト)に敷く構えだ。独立ベンチマーク機関Artificial AnalysisのIntelligence Indexで、Muse Wonder Fullは56、Muse Wonderは52、オープンウェイト版のMuse Spark Openは39。API価格はWonderが100万トークンあたり入力$4/出力$20、Spark Openは入力$1.25/出力$4.25で、入力は約3.2倍、出力は約4.7倍の差がある。重みが手元に置けるSpark Openを選ぶ開発者は、Wonder比で指数13点(Fullとは17点)を手放す代わりに、大量呼び出しのコストと運用の自由度を取る。Metaがこの2層を同時に持ったことで、フロンティア級の性能を買うのか、足りる性能を安く自前で回すのか、という選択がMeta1社の中で完結するようになった。
何が起きたか
- Artificial Analysisは、Muse Wonder Full(Max)がIntelligence Indexで56、Muse Wonder(Max)が52、Muse Spark Openが39だと掲載している。
- Muse Spark Openは2026年10月公開のオープンウェイトモデルとして掲載されている。
数字で見る
| モデル | Intelligence Index | API価格(100万トークンあたり) |
|---|---|---|
| Muse Wonder Full | 56 | 本調査では未確認 |
| Muse Wonder | 52 | 入力$4.00/出力$20.00(Metaのapiに基づくとArtificial Analysisが掲載) |
| Muse Spark Open | 39 | 入力$1.25/出力$4.25 |
- Muse Wonderの順位はArtificial Analysisのページで「215モデル中10位」と表示されている。一部報道の「7位」とは食い違うが、数値52は一致しており、集計対象の違いとみられる。
- Muse Spark Openの出力単価は、一部報道で$4.15と伝えられたが、Artificial Analysisの掲載は$4.25で、本記事は後者を採る。ホスト先によって価格が異なる可能性があり、Meta公式の価格は確認できていない。
- 指数は新モデルの追加のたびに再較正されるため、測定時点の異なる他社モデルの点数と並べて比べないこと。
未検証の点
次の情報は一次ソースに到達できておらず、本記事では事実として扱わない。
- Muse Spark Openの規模(総816B・活性42B)、1Mコンテキスト、Hugging Faceでの重み公開日は、二次報道のみで未検証。公式モデルカードは取得できなかった。
- Muse Modelライセンスの条件(売上2,000万ドルに関する扱い)は、報道間で趣旨が食い違っており、ライセンス原文での確認が必要。上限なのか、超過時に別契約が必要という条件なのかは断定できない。商用利用を検討する場合は原文を読むこと。
- 動画・音声入力への対応は未検証。二次報道の一部はテキスト・画像・動画のみに言及しており、音声は確認できていない。
- 「米国勢のオープンウェイトで首位」という位置づけは、Artificial Analysisのモデルページに記述がなく未検証。ページが示すのは全体順位(121モデル中11位)のみ。独立指標であるVals Indexでは順位が低めだとの報道もある(二次、未検証)。
- Muse WonderおよびWonder Fullについて、Metaの公式発表・モデルカードにも到達できていない。提供形態(API/アプリ内プラン)も未確認。
なぜ重要か
- 数値の出どころを分けて読む必要がある。指数・順位・API価格はArtificial Analysisの計測・掲載値で、規模・ライセンス・提供先などMeta自身の主張は一次未確認のままだ。
- 開発者にとっての実際の問いは、「指数39のオープンウェイトで、自分のタスクが足りるか」に絞られる。足りるなら自前運用の道が開き、足りないならWonder系の上位層を使う。判断は指数ではなく、自分のタスクでの実測で決める。