OpenAIが今回公開したのは、COBOLなど低リソース言語での成績そのものではなく、それを測る評価ハーネスだ。MultiLangBenchはApache-2.0でGitHubに置かれ、モデルにSQLite 3.40.1互換のDBエンジンをドキュメントから実装させる。COBOLやFortranの資産を抱える企業の開発者は、ベンダーが示す合格率を待たず、自社が使いたい言語で同じ課題を回して手元で確かめられる。フロンティアモデルの評価では、ベンダー自己報告の数値を第三者が再現できるかが問われ続けている。ハーネスの公開は、その検証の入口を使い手側に開く動きだ。

何が起きたか

  • OpenAIはMultiLangBenchのセットアップとテストスイートをGitHubで公開した。リポジトリの説明は「An eval based on SQLite that benchmarks language models in multiple languages.」である。
  • ライセンスはApache-2.0。
  • モデルはSQLite 3.40.1をドキュメントから実装し、SQLiteのTCLテストスイートから変換したテストで検証される。標準実行は272テスト。
  • 結果は(api_cost, test_pass_rate)、つまりAPI費用とテスト合格率の組で記録される。

仕組み・詳細

評価の題材は、機能が明確で正解がテストで機械的に判定できるSQLite互換エンジンの実装である。実装言語を変えれば同じ課題で言語間の差を比べられる。合格率とAPI費用が対で出るため、精度だけでなく費用を含めた比較ができる。

OpenAI報告の数値(未検証)

以下は検証できていない。一次の発表記事(openai.com)は取得できず、二次報道とニュースレターでの伝聞に限られる。

  • GPT-6 Astraの20言語での平均合格率が87.4%(GPT-5.6 Solは26.8%)とされる。COBOLは10.9%から72.1%とされる。
  • COBOLから別言語への移行評価では、GPT-6.1 Solが低推論で86.6%、高推論で97.9%とされる。
  • 上の二つの評価は同じ系列かどうかも未確認で、モデル名が併記されている点も裏付けがない。

COBOL移行評価は非公開で、第三者が再現することは原理的にできない。評価を設計したのもOpenAI自身である。リポジトリには結果表やリーダーボードがなく、「20言語」の言語一覧も取得時点では確認できなかった。

なぜ重要か

確認できているのは、評価ハーネスが公開され、誰でも同じテストで測れるという点である。個々の合格率は、第三者が再現できるまで「OpenAIの報告」として読む必要がある。本番移行に専門家レビューと業務ルールに照らしたテストが必要というOpenAIの説明も、一次記事を確認できておらず未検証である。

出典