「知能の自動化が豊かさをもたらす」という前提に対し、論考『Natural General Intelligence』は、知能が無限になっても自然資源への依存は消えないと指摘する。自然資源は人間の知能が生産したものではないからだ。AIに投資する意思決定者にとって、計算資源やモデル性能を増やしても、水・大気・生態系といった地球側の制約は別の問題として残る。インフラ投資が計算資源の確保に集中する今の流れの中で、この論考は「計算の外側にある物理的な制約をどうモデル化するか」という本当の問いを突きつける。ただし、これは単一の提唱者による構想で、実装・ベンチマーク・査読による裏付けは確認できていない。
何が起きたか
コンセプト提唱サイト naturalgeneralintelligence.ai が、地球の状態と力学に立脚した基盤モデル「Natural General Intelligence」の構想を示した。サイトは、知識労働の自動化で豊かさを約束するAIに対し、地球システムはすでに完全に自動化されていると述べる。サイトの記述では、私たちが依存する自然資源を生み出す過程は、人類が進化するよりはるか前から動いていた。
仕組み・詳細
構築方法は、並行して進める3つの取り組みで構成されると説明されている。
- 観測データを取り込み、現在の生物地球化学的な状態を推定する
- 学習した力学を使って、起こりうる将来をシミュレーションする
- 不確実性の大きい箇所へセンサーを向ける
概念としては、地球の「状態と力学」そのものを対象にする基盤モデルであり、言語や画像ではなく地球システムを学習対象にする点が特徴だ。ただし、サイト冒頭の定義文の逐語的な確認は取れておらず、上記は要約に基づく記述である。
なぜ重要か
必要性の論拠は、行為と帰結のズレにある。サイトは、私たちは大気を変え、川の流れを変え、生態系を作り変えるが、その帰結をずっと後になって知ることが多いと述べる。人間の介入に対する地球の応答を理解するインフラが必要だ、というのが著者の主張である。
留意点(未検証の事項)
- サイトは地球が年間約40ペタバイトの地球観測データを生成し、現行モデルでは十分に活用されていないと述べるとされるが、原文での確認はできておらず未検証。著者の主張であり、独立した出典も確認できていない。
- 著者は Lower Carbon Capital の Ryan Orbuch とされるが、署名(byline)の原文確認は取れておらず未検証。公開日も取得できていない。
- 本構想は研究成果や製品発表ではなく、単一の提唱者による論考である。主張は著者の見解として読む必要がある。