OpenAIは2026年7月9日午前10時(太平洋時間)、コミュニティフォーラムの公式投稿で新モデル群「GPT-5.6」シリーズを発表した。シリーズはSol・Terra・Lunaの3モデルで構成され、API・Codexへの提供から展開が始まっている。
何が起きたか
OpenAIはcommunity.openai.comの投稿で、Solを「frontier reasoning and long-horizon agentic work」向けの最上位モデル、Terraを「GPT-5.5-competitive performance at 2x lower cost」を掲げる中位モデル、Lunaを「fastest, most affordable member of the family」とする最軽量モデルと説明した。初期提供は「API and Codex to a select group of trusted partners and organizations」から始まり、ChatGPT・Codex・APIへの広範な展開時期は「soon」とだけ予告されている。同投稿は、この広範な提供開始が米国政府によるAI安全性レビューの完了を前提とすると明記している。
仕組み・詳細
developers.openai.comの各モデルページによると、Sol・Terra・Lunaはコンテキスト窓1,050,000トークン、最大出力128,000トークン、knowledge cutoff 2026-02-16を共通仕様として持つ。料金は1Mトークンあたり以下の通り。
| モデル | 入力 | 出力 | キャッシュ入力 |
|---|---|---|---|
| Sol | $5.00 | $30.00 | $0.50 |
| Terra | $2.50 | $15.00 | $0.25 |
| Luna | $1.00 | $6.00 | $0.10 |
Sol向けには新たな推論エフォートモード「max」と、サブエージェントを活用する「ultra」モードが追加された。いずれも既存の推論モードに加える形での提供となる。
数字で見る
コミュニティ投稿によれば、Solは「new SOTA on Terminal-Bench 2.1」を達成した。サイバーセキュリティ評価ExploitBenchでは「競合と同等の結果を、出力トークン数はおよそ1/3で達成」したという。バイオセキュリティ関連ベンチマークではVirology 53.5%・Molecular Biology 60.0%・Human Pathogen 68.4%・World-Class Bio 68.3%を記録し、GPT-5.5比で約9ポイント上昇したとされる。これらの数値はいずれも同一の公式投稿に記載されたものであり、算出方法の詳細な開示はない。
背景
同じ7月9日、ChatGPTデスクトップアプリ(バージョン26.707)にCodexが統合された。learn.chatgpt.comの変更履歴によれば、既存のCodexアプリがそのまま新しいChatGPTデスクトップアプリ(macOS/Windows)となる形で、インラインdiff編集、PRレビュー用サイドパネル「PR Chat」、GPT-5.6搭載によるComputer Use処理の高速化、マルチリポジトリプロジェクト対応、タスク・サブエージェント活動の追跡強化が同時に加わった。関連するリリースは6月25日のCodex Remote(iOS/Android)一般提供開始、7月6日のChatGPT iOS v1.2026.181でのタスク作成・管理機能追加、7月13日のChatGPT iOS v1.2026.188でのCodexタスクのインライン可視化追加と続いている。
なぜ重要か
Terra・Lunaの価格帯(入力$2.50/$1.00、出力$15.00/$6.00)は、Solより低コストでの利用を選べる選択肢を提供する構成だ。一方で、GPT-5.5世代との具体的な価格比較や、約20組織限定プレビューを6月26日から実施し米国政府に事前共有していたとする報道は、検索エンジンの要約に基づくものであり本稿執筆時点では一次ソース本文を確認できていない。断定を避け、確認できた範囲の事実に限定して記載した。